【NY1メルマガ】ホルムズ海峡の東側、フジャイラ・・タンカー攻撃の場所が示す意味とは 2019.6.16.

タンカー攻撃の場所が示す意味とは・・2019.6.16

■ホルムズ海峡の東側が示すもの

2019年6月13日に、日本などのタンカー2隻が攻撃を受け、炎上した事件。場所は、ホルムズ海峡から、少し東に抜けたオマーン湾です。このエリアは、当然、イランの革命防衛隊の勢力下にあるわけですが、この場所は、実は、重要な意味を持っているのです。(衛星図は、Wikipediaより引用し、図示を加工)



普通に考えますと、ホルムズ海峡の「そのもの」、つまり「ど真ん中」の方が、大きな影響があり、ニュースになりますね。攻撃の「戦果」を示すには、効果的です。ただし、ここは、衛星画像でわかるように狭いので、そのままタンカーが航行不能となり、ホルムズ海峡を封鎖してしまう懸念が、攻撃側にあったのかもしれません。(衛星図は、Wikipediaより引用し、図示を加工)



今回の場所の周辺海域では、タンカー2隻が攻撃を受けた前の、2019年5月に、サウジアラビアのタンカーなど4隻が、攻撃を受けた事件がありました。このときも、ホルムズ海峡の東側であり、アラブ首長国連邦(UAE)のフジャイラ沖のオマーン湾です。

実は、このフジャイラ沖には、大きな意味があるのです。


■フジャイラとは

アラブ首長国連邦(UAE)は、いくつかの国が連邦を組んでおり、フジャイラは、フジャイラ首長国(UAEの構成国の1つ)にあります。ホルムズ海峡に突き出した、半島状の地形の中で、フジャイラは、東側=オマーン湾に面しています。

このフジャイラには、ホルムズ海峡の封鎖を避けて、石油が輸出できる港があるのです。

どういうことかと言いますと、通常は、油田はホルムズ海峡の西側に集中していて、タンカーが石油を運ぶのは、西から東へと、ホルムズ海峡を通過することになります。必ず、ホルムズ海峡を通過する必要があるわけですね。

しかし、アラブ首長国連邦(UAE)は、過去も問題となったホルムズ海峡のリスクを軽減するため、半島のような地形の根元の部分に、西から東へと、パイプラインを設けているのです。

ですから、ホルムズ海峡が、イランによって封鎖されても、アラブ首長国連邦(UAE)は、問題がそこだけにとどまれば、一定量の石油の輸出が可能なのです。


■イランにとっては、海峡封鎖の効果を低くする「フジャイラ」

このことは、逆に、イランの立場から見ますと、仮に、軍事的にホルムズ海峡を封鎖しても、海峡を迂回して、フジャイラから石油を運び出すルートが、存在することになります。

つまり、ホルムズ海峡を封鎖しても、パイプラインで西から東へと海峡を迂回し、フジャイラから石油を輸出することが可能というわけです。

ですから、イランにとっては、仮に、海峡を封鎖する場合は、パイプラインの破壊と、フジャイラ対策が、重要な意味を持つことになります。

実際、イランと協力関係にあるイエメンのフーシ派が、2019年5月に、サウジアラビアのパイプラインを無人ドローンで攻撃しています。

また、フジャイラ沖での攻撃で、攻撃が誰によるものかは別としても、ホルムズ海峡の外側でも、タンカーへの攻撃が可能であることを示しています。


■パイプラインと、ホルムズ海峡の外側のタンカー

こうして、パイプラインへの無人ドローン攻撃、さらに、ホルムズ海峡の外側でのタンカー攻撃が可能であることが、示されているというわけです。

2019年6月16日時点では、日本を含むタンカー2隻への攻撃が、イランの革命防衛隊によるものである可能性が考えられるものの、まだ詳細は、不明なままです。

しかし、イランが、ホルズム海峡を封鎖したり、周辺のパイプラインや、海峡の外側のタンカーを攻撃可能であることは、十分示されています。

こうした点は、この地域で軍事的な衝突が起きれば、周辺国を巻き込んで、中東の石油の大半がストップする事態に発展する可能性を示しています。

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