【NY1メルマガ】あの大英帝国もデフレで衰退。日本も「同じ道」。2019.6.15.

あの大英帝国もデフレで衰退。日本も「同じ道」。2019.6.15. 

■栄華を誇った、大英帝国 

1588年(16世紀後半)に、 スペインの無敵艦隊を破った英国は、 次々と海外活動を拡大。 英国は、1600年に 東インド会社を設立して、 貿易を活発化させ、 1670年代から1680年代 (17世紀後半)にかけては、 空前の好景気となります。 
その前後、17世紀からは、 気候の寒冷化の影響で、 食糧難も起きますが、 18世紀半ば (1760年前後)からの 産業革命で、英国では、 蒸気機関・綿織物・製鉄などが発達。 最盛期には、全世界の 4分の一を手中に収める、 世界帝国となります。 (画像はWikipediaより、ジェームズ・クック)




 ■1800年代、大英帝国でデフレが顕著に 

 産業革命から約100年後、 1781年に、 アメリカの独立が承認され アメリカが工業力を、 徐々につける中、 英国では、 1800年代の前半から デフレ傾向が顕著になります。 短期金利は、2〜3%前後の 底這いとなり、 栄華を誇った大英帝国にも、 デフレの影が忍び寄りました。 

そして、1800年代の デフレの時期を経て、 英国は、その後、衰退し、 アメリカに、世界帝国の地位を譲り、 1900年代の20世紀は、 アメリカに覇権が移ります。 全盛期に、 世界の4分の一を支配した、 大英帝国でさえも、 デフレで衰退してしまったわけです。 




■デフレは、経済活動の低下を示している 

 デフレで衰退した、 というのが正しいのか、 衰退しているからデフレになった、 というのが正しいのかは、 どちらが先か、 という側面はあります。 しかし、デフレは、 その先の衰退を示しており、 決して、放置してはならないのです。 大英帝国でさえ、なのです。  
これは、シンプルな話ですが、 マネーが少なく、物が多いので、 デフレです。 マネーが多く、物が少ないと、 インフレになります。 マネーが十分に行き渡っていない状態を放置するのがデフレです。

そして、現在の日本をみても、 わかるように、 デフレで雇用が失われると、 貧困化が進み、さらにマネーが不足し、 ますます内需が低迷して、 衰退のデフレ・スパイラルに陥ります。 そうなりますと、 よほどのマネーを配らなければ、 マネーは欠乏したままで、 国民の窮乏化、国家の衰退が起きます。 


■大英帝国は、デフレで良かった?タイムラグを無視した議論も

この大英帝国のデフレ傾向について、タイムラグを無視した議論をみかけます。つまり、「大英帝国は、デフレのときに繁栄していた=デフレは悪くない」という議論です。

しかし、これには、大きな誤りがあります。デフレの影響が、その後、数十年の時間経過を置いて、顕著化するという、タイムラグを、まったく無視しているからです。世界の4分の一を支配した大英帝国の場合、繁栄ぶりが、すごかったわけですから、タイムラグは、当然、後ずれします。

そして、1900年ごろからは、アメリカなどの台頭が顕著となって、世界帝国の地位を徐々に失い、1940年~1941年の「バトル・オブ・ブリテン」で、ナチス・ドイツの攻撃から、空軍力で英国を守ることに成功するものの、工業力や軍事力では、二度と世界トップに戻ることはなく、ヨーロッパの中の1国、という地位になります。

つまり、英国は、1900年ごろまで、デフレを続けた結果、世界の4分の一を支配するという、世界帝国のトップの地位から転落してしまったわけです。

こうしたタイムラグは、雇用などへの影響に、時間がかかるためと考えられます。身近に考えてみるとわかりますが、デフレで景気が悪くなっても、その瞬間、すぐに解雇されるわけではありません。最初は、感応度の高い、証券会社のような業態に影響が出て、一般の会社に波及するには、数十年の時間経過があります。

つまり、デフレの悪影響が、多くの人の仕事や雇用にじわじわと波及するまで、数十年がかかるということです。

同じ話は、日本についても言えます。例えば、1990年のバブル崩壊、株式大暴落が、景気に良い、という人は、あまりいないでしょう。しかし、足元の経済状況でみれば、まだ、当時は、好況の「体温」が残っていたため、その時点での景気のレベルは、今よりも良かったわけです。

これをもって、バブル崩壊は、景気に良いとか、株価暴落は景気に良いという人は、いないと思いますが、大英帝国の話では、デフレのときに、繁栄していたからといって、デフレは良いことであるように言う、経済人がいるのです。

そのあとの、デフレの悪影響が、顕在化した時期は無視して、あたかも、デフレ=経済繁栄のように、いう人がいるわけです。

現在のイングランド銀行(中央銀行)の 金融政策をみていますと、 欧州よりも、インフレ率は、 やや高めに誘導しています。 歴史の教訓に学んでいるのか、イングランド銀行は、インフレ率が高めになるように、 気をつけているのでしょう。 


 ■国を滅ぼすには、戦車やミサイルは要らぬ 

 デフレを何十年か続けていると、 50年先、100年先には、 その国は、確実に、 ボロボロになって衰退します。 実際、日本も、 失われた30年を続けていて、 国民の貧困化、社会不安の増大、 国力の衰退が、起きています。 つまり、デフレは、続けては、 いけないものなのです。 

 ですから、 ある国を滅ぼそうと思えば、 何も、戦車やミサイルで攻撃しなくても、 デフレ政策や、リストラが 正しいと思いこませて、 それを続けさせれば、よいだけです。 戦車や、ミサイルは、要らない、 ということです。

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