NY1メルマガ『筆者は「MMT」には懐疑的だが、否定はしない』2019.5.05

『メルマガ読者サロンページ』
ご自由にお読みいただけますが、初回のみ、無料メルマガへのご登録をお願いいたします。
→無料メルマガへのご登録は、こちらから。

筆者は「MMT」には懐疑的だが、否定はしない
2019.5.05


【メルマガ読者登録(無料)・登録解除】
http://www.movie-marketing.jp/melmaga-koukoku

まぐまぐ殿堂入り・「MONEY VOICE」採用メルマガ
http://www.mag2.com/m/0000270230.html

【号外広告のお問い合わせ】080-1721-5482(随時)
http://www.movie-marketing.jp/koukoku2



------きょうのご挨拶---------------------


こんにちは。児島です。

現代貨幣理論(MMT)が、
最近、注目されています。

金融政策より、財政出動を
重視する理論ですが、
筆者は、実は、懐疑的です。

懐疑的というのは、
現状には、合っているものの、
すべての経済の局面で、
あてはまることは、
ないだろうという見方です。

きょうのメルマガです。


----------------NewYork1本勝負-----------



■MMT(現代貨幣理論)が注目されている


MMTは、デフレ傾向がある、
現状経済のもとで、
注目度が上昇しています。


筆者は、これは、最適な局面と、
合わない局面が、
あるだろうという見方です。


ですので、
デフレ傾向の現状に対しては、
合うでしょうが、
あらゆる経済の局面に、
合うというものではないでしょう。


というのは、
日本の場合は、
MMTを持ち出すまでもなく、
従来の金融政策でも、
問題があるためです。





■インフレ率2%の意味


インフレ率2%という目安が、
しばしば、語られます。


なぜ、2%なのか?


明確な報道は、少ないですね。


実は、インフレ率は、
2%でなくても、良いのですが、
その場合、
こんな状態を、
受け入れる必要があります。


銀行に預金をすれば、
お金が目減りする。


お金を貸すと、減り、
借りると、返済額は少なくてよい。


つまり、
マイナス金利の世界です。


従来の感覚からすれば、
あべこべですね。



銀行に100万円預金すると、
1年後には、
98万円になって戻る、とか、

100万円借金した人は、
1年後に、
98万円返済すればよい、
という世界です。


人間の感覚からすれば、
受け入れ難いですね。


しかし、デフレで、
貨幣の価値が、増している場合は、
これで、いいのです。


100万円が、98万円になると、
減った感じがしますが、
その間に、
デフレで貨幣価値が増して、
98万円分のお金で、
以前の100万円分の買い物が、
できるということです。


また、返済が、
98万円で良いといっても、
その間に、
貨幣価値が増しているので、
実質的には、
返済が少なくなっているわけでは、
ないのです。


このような、「おかしな世界」に、
違和感がある場合、
インフレ率は2%ぐらいに
しなければ、なりません。


これに違和感がない、という場合は、
2%にこだわらなくても、
よいというわけです。


しかし、従来の人間感覚では、
違和感がある人が、
ほとんどでしょう。


ですから、アメリカでは、
2%という数字に、
大きな意味を置いています。


決して、「おかしな世界」に
ならないように、
インフレ率を2%ぐらい以上に、
しようとしているわけです。



■デフレの日本は、どうなのか


さて、日本は、どうなのでしょうか。


日本は、「おかしな世界」に、
既に、入っています。


ですから、本来、政策金利は、
マイナス1%から
マイナス2%ぐらいに、
しなければ、いけないのです。


「おかしな世界」に入っているのに、
「普通の世界」のふりをして、
日銀は、政策金利をゼロ近辺に
とどめています。


つまり、政策金利は、
デフレに合わせて、
もっと下になるはずが、
「普通の世界」のふりをして、
ごまかし続けているのです。


ですから、日本は、
本来あるべき金利水準よりも、
実質、高金利であり、
金融引き締めによって、
デフレが続くのは、
あたりまえなのです。


この金融引き締めで、
不景気が続いています。


筆者は、必ずしも、
マイナス金利論者では、
ないのですが、
インフレ率よりも、
政策金利は、
2%ぐらい下にしなければ、
金融緩和効果はありません。


ですから、日本は、
0-2=-2
という計算であり、
-2%より上は、
例え、ゼロ金利でも、
金融引き締めなのです。


ですから、自動的に、
インフレ率より2%下にするような、
金融政策の方が、良いでしょう。


それをごまかすと、
いつまでもデフレが続く、
というワケです。





■2%死守に、対応しなかった日銀


こうした「おかしな世界」が、
嫌ならば、
日銀は、かつて、
インフレ率が2%を下回る前に、
必死に対応しなければ、
なりません。


しかし、日銀は、
それをしませんでした。


それで、日本は、
デフレの罠にはまり、
見かけ上は、低金利でも、
実際は、高金利という状況が、
続いています。


つまり、実際には、
金融引き締めで、
デフレが続いています。


実質高金利で、
マネーは目減りしないので、
企業の内部留保も、
どんどん、そのまま放置され、
積み上がるのです。



■デフレでは、マネー流通量が不足している


そして、当然、
デフレでは、
マネーの流通量が、
足りていないのです。


紙幣が足らないので、
需給が引き締まって、
目減りしない=デフレ、
単純に、そういうことです。


インフレ率の高い国では、
マネーの流通量が多すぎるので、
吸収する必要があるのですが、

日本は、マネー流通量が少ないのに、
増税や、国民負担の増加という、
逆の政策を行っています。


日本の、現在の政策は、
例えば、インフレが進んで、
全く沈静化しないような時に、
行うべき政策です。


仮に、インフレ率が、
5%を超えてきたような場合に、
利上げや増税などで、
余剰マネーを
吸収する必要があります。


それを、デフレの下で、
やっているわけですから、
「MMT」を持ち出さないまでも、
日本でデフレが続くのは、
あたりまえなワケです。


あまり、
難しいことを言わなくても、
インフレでは、流通する紙幣が多すぎて、
デフレでは、流通する紙幣が少なすぎる、
ということです。


このため、日本経済が、
世界経済の「ブラックホール」と化し、
アメリカなども、奇異と、疑いの目を、
日本に向け始めました。


日本が、
世界経済を悪くしていると、
アメリカや欧州も、
景気回復の足を、
引っ張られるからです。


これは簡単な話であり、
デフレなのに、増税や
国民負担の増加をする政策は、
おかしいのではないか、
という話です。


この簡単な話を、
日本では、まともに
問題視してこなかったわけで、
最近、外国に言われているわけですが、
日本国民にとっては、
これは、経済政策の正常化に向けた、
追い風となるでしょう。


ですから、
日本の場合は、わざわざ「MMT」を、
持ち出すまでもなく、

デフレで増税は、おかしいだろう?
デフレで金融引き締めは、
おかしいだろう?

という話であるわけです。



ちなみに、
国家財政が健全かどうかは、
インフレ率に現れます。


これは、トルコや、
アルゼンチンをみれば、
明らかですが、
財政状態が悪いと、
通貨が下落し、
インフレになるのです。


インフレ率が、
国家財政の健全度の指標、
ということで、
これが、偽らざる、
市場の判定、ということです。


ですから、国家財政の健全度は、
インフレ率で判断するのが、
良いと言えます。


国家財政が危険であれば、
市場で信任が失われて、
通貨は下がり、インフレ率は上昇します。


一方、安全度が高ければ、
通貨は高く、
インフレ率は、低く抑えられます。


こればかりは、
市場の判断ですから、
当該国の政府が何と言おうが、
市場が、はっきり判定します。






【まぐまぐ大賞2018】
マネーボイス部門トップ10入り
ニューヨーク1本勝負「連動メルマガ」
http://www.mag2.com/m/0001682243.html
毎週金曜日+緊急市況メール



【編集後記】
10連休も、終盤ですね。

今回の10連休は、
公務員や大企業正社員かどうか、
によって、全く異なる状況を
つくりだしています。

非正規雇用では、
休みの分、収入が減り、
中小零細企業では、
連休による売り上げの減少で、
大きなダメージを受けています。

早く、日本経済が、
30年前から40年前の
かつてのレベルに、
戻れれば良いのですが・・




◇ビットコイン「投げ銭」して下さる方は、
こちらのビットコイン・アドレスへ。
3Pc5T9EmbZtx4mdsaPrSfxWhzvaNPdmFBN


※このメルマガは、長期の景気循環を念頭に、
経済のファンダメンタルズについて書いたもので、
短期的な個別株式、為替の値動きを示唆するものではありません。
※情報の収集には、万全を期しておりますが、
記事による、いかなる損失にも、責任を負うことはできません。



メルマガ購読・解除 ID: 270230
ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ


コメント