NY1メルマガ2017.2.27「超長期の景気循環、コンドラチェフサイクル」

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超長期の景気循環、コンドラチェフサイクル

2017.2.27

こんにちは。児島です。
去年のメルマガでも、お伝えしましたが、コンドラチェフサイクルにご興味のある方が多いようですので、再び、メルマガにまとめます。



■超長期の景気循環、コンドラチェフサイクルとは

コンドラチェフサイクルとは、約100年前の、ロシアの経済学者、コンドラチェフが、分析したものです。西側・資本主義国の景気が、超長期のサイクルを持っている点を分析したものです。この長期波動の理論は、現在も、多くの経済専門家の支持を集めています。

簡単に、ご説明しますと・・・

50年~70年の、経済サイクルの前半(30年間ぐらい)は、好況。サイクル後半(30年間ぐらい)は、不況というサイクルです。


■ニコライ・コンドラチェフ(1892-1938)

経済学者コンドラチェフは、1917年のロシア革命のあと、新しい政権の要職も務め、初期ソビエト政権で経済学者として活躍。しかし、集団農場への批判などで、スターリンの粛清の対象となり、銃殺されました。ソ連の悲劇の経済学者です。


■サイクルの見方は、少々難しい

このコンドラチェフサイクルですが、経済恐慌の周期に、ぴたりと、あてはまります。このため、現代の、欧米の投資関係者の間でも、信奉者は多いです。

一方で、1つのサイクルの起点や終点を、何年から始まったとみるかは、エコノミストの間でも、見解が異なります。ある人は、○○年からが、サイクル開始といい、また、別のエコノミストは、△△年からが、サイクル開始と言います。このため、本によって、期間や、サイクルのあてはめ方が、違ったりしてきます。あの本では、こう書いているけど、こっちは、こうだった、という感じです。

ですから、きっちり、何年から、と決めるよりも、社会情勢などを勘案して、おおむねの「時間の帯」で考える方が、よいかと思います。


■2017年は、どの位置?

2017年を考えるうえで、まず、前回のサイクルの起点をどこにするか、です。

1929年のNYウォール街の大暴落と世界大恐慌。

1939年~1945年の第二次世界大戦。

この頃は、明らかに、経済サイクルの「底」ですね。悲惨な経済状態、経済恐慌です。

そして、その後、戦後の日本では、神武景気が始まりました。ネーミングは、始まって以来の好景気、という意味でした。この神武景気は、1954年末(昭和29年)~1957年(昭和32年)です。

そして、次も好況が訪れます。岩戸景気です。岩戸景気は、1958年(昭和33年)~1961年(昭和36年)。

さらに、いざなぎ景気は、1965年(昭和40年)~1970年(昭和45年)。この頃は、明らかに、経済サイクルの循環は、上向きです。

これらの好景気のうち、神武景気は、白黒テレビ・電気洗濯機・電気冷蔵庫が「三種の神器」といわれた、空前の好景気でした。

この神武景気と、岩戸景気の間には、「なべ底不況」がありますが、不況の長さは、短いです。コンドラチェフサイクルでは、上昇期の不況は、軽く済むのです。(逆に、下降期の不況は、恐慌になりやすい。)こうした流れをみますと、これらの景気の良い時期は、コンドラチェフサイクルは、上昇しています。

こうした変化を見ますと、実体経済の上向きの起点は、1945年~1950年前後が、妥当となります。場合によっては、1935年~1940年ごろに、既にサイクルは底を打っていた、という見方もできます。

その後の、日本のバブル崩壊が、1990年。神武景気から見ますと、やはり、いい時期は、30年余り、です。いい時期が、起点からみて、後ろに、ずれているように見えるのは、サイクルの上下の向きと、実際の景気の相対的な水準が、異なるためです。

たとえば、上向きでも、まだ相対的に下の方に位置すれば、景気は厳しいですし、逆に、下降していても、まだ、相対的な水準が高ければ、「好況の温度が残っている」ような感じであるためです。

ですから、1990年のバブル崩壊は、その前に、既に景気循環は、下降していて、それが実感できるレベルになった、ということです。おそらく、景気循環のピークは、1980年代であったのでしょう。1980年代から、30年から35年ぐらいの、下降期が始まっているわけです。

その後の、証券・銀行危機、デフレ不況、リーマンショック。厳しい景気循環の下降期でした。

それで、ようやく、現在は、下降期が終わった、という頃です。終わっても、相対的なレベルは、低いので、まだ経済は、厳しいです。

1990年のバブル崩壊の頃が、相対的には、ましだったのと、逆の場面でということで、同様です。おそらく、リーマンショックが、下降サイクルのダメ押しだったのでしょう。

場合によっては、グラフの方向性だけに限れば、上昇が始まりつつある時期だった可能性もあります。グラフの方向性にかかわらず、景気の相対的な水準が低い時期ですので、激しい恐慌が起きやすいというわけです。

1945年から計算しますと・・

1945+60=2005

1945+70=2015

サイクル70年説をとれば、2015年が、転換点です。


1980年代が上昇期のピークとして、30年~35年後でみますと、やはり、2010年とか、2015年とかになります。

そして、今後は、景気は急速に良くなり、10年後には、神武景気のように、いわゆる、国が始まって以来の、空前の好景気が起きていることになります。

ちょっと、信じ難いですが・・

1990年ごろに、ここまで日本の景気が悪化するのが、予想しにくかったのと、同様です。今度は、逆なことが、起きるわけです。

今は、1945年と同じで、国民生活は苦境にあるのですが、これから、30年ぐらい、2050年ごろまでは、日本の景気は、非常に良くなることを示しています。ちょっと信じにくいですが、これまでの恐慌状態の逆、ですね。




■転換期には、産業革命が起きる

そして、恐慌状態から、経済が上昇するときには、産業革命が起きます。めざましい、発展が、起きるわけです。AI(人工知能)なのか、水素なのか、何かが、きっかけとなり、産業が飛躍するわけです。前回は、コンピュータ革命といわれています。

最近の日本は、貧困化を背景に、痛ましい事件も相次いでいますが、もう少しで、社会が変化するはずです。サイクルが、あと5年先だった、といわれれば、がっくりきますが、たぶん、株価が、既に先行して高い水準にあるので、上昇への転換点は、既に過ぎているでしょう。


※その後、筆者は、上昇期は、1940年から1980年の40年間。下降期は、1980年から2010年の30年間、サイクル合計70年間との見解です。金融市場のチャートに、よくあるように、上昇期は遅めで長く、下降期は早いという見方をしています。

景気の推移は、方向性の他に、座標軸での位置関係も実体経済には大きく影響します。例えば1990年は、下降転換が既に始まっていたものの、景気のレベルは、まだ高い状態で残存していたため、バブル崩壊は、転換点の1980年から10年後にずれている、というわけです。(2020年1月追記)




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