NY1メルマガ2017.7.6「日欧EPA合意の背景に、日本製品の存在感の薄さあり」

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日欧EPA合意の背景に、日本製品の存在感の薄さあり
2017.7.6
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■ヘルシンキの場合


例えば、フィンランドの首都、ヘルシンキの街や、家庭の場合は、こんな感じです。


ヘルシンキに、老舗の百貨店「ストックマン(STOCKMANN)」が、
中心部の百貨店として、1店舗あります。


日本の進んだ百貨店と比べても、違和感はなく、
日本人にも快適な百貨店で、茶色の建物が、印象的です。


この百貨店では、デザインが良い生活家電を、百貨店の中で販売しています。


最近の、蔦屋家電の、家電販売のような感じですね、百貨店に、家電販売コーナーが、
違和感なくあるのです。


トースターとか、パン焼き器とか、また、パソコンなども、売っているのです。


デザインにすぐれた欧州だけあって、製品は、どれも厳選されています。


色や形も、飾りでも、家に置きたくなるような、お洒落な感じです。


さて、どの国製の、何が売っているのでしょうか?


まず、売っているパソコンは・・・レノボ(中国)です。


ヘルシンキの「ストックマン」は、売り場も無制限ではありませんので、
値段と、使い勝手で、生活にふさわしい製品を、厳選して展示販売しています。


いっぱい、メーカー、製品の種類を置いているのではなく、
吟味して、生活にフィットするものだけ、展示・販売しているのです。


このへんは、北欧の、じっくり吟味して、考えるという国民性そのものです。


それで、選ばれているのは、レノボ(中国)のパソコンなのです。



続いて、トースターとか、レンジとか、オーブンも、見てみました。


ジューサーとか、泡だて器とか、いろいろ、見て回りましたが、
それが、日本製品が、全くないのです。


おそらく、フィンランドの人は、日本の家電製品を、見たことが、
ないでしょう。


すべての展示製品の、デザインや色が良いので、ちょっと日本製品を並べたとしても、
デザイン性で、見劣りするかもしれません。


こうした中、「KENWOOD」をみつけました。


ちょっと、デザインの洗練度が、他の製品に比べて、2番手感があります。


日本のデザインだから、かな、
「KENWOOD」実は、生活家電(キッチン)で、日本も頑張っているのね、と思ったのですが・・


これは、英国系の、生活家電(キッチン用品)の会社なのでした・・。


ということで、ついに、日本製の家電製品は、全く見かけなかったのです。


ショッピングセンターなどでも、サムソン(韓国)のスマホやタブレット販売店は、
見かけるのですが、日本は、全くありません。



次に、家庭の中の、家電製品をみてみましょう。


全自動洗濯機は、LG(韓国)です。


これは、どの家でも、面白いように、LGばかり、見かけます。


また、ジューサーとか、キッチン関係の家電の取り揃えは、どの家庭でも多いのですが、
日本製品は、まったくありません。


そして、テレビ。テレビは、わりと大型タイプが多いです。


フィンランドでは、室内の家具が少なくて、面積よりも、広々感があるのですが、
テレビは、大きいのを置いている家庭が多いです。


これも、日本製ではありません。


圧倒的に、韓国のサムソンが多いです。


ということで、ヘルシンキの人が、見かけたり、使っているのは、
外国のものでは、中国か、韓国の家電製品です。


厳選して、吟味する国民性であり、念入りに価格や使い勝手で選抜されたのは、
日本製品ではなく、韓国製品や中国製品ということです。



自動車も、似た状況です。


日本車は、ほとんど、見かけません。


たぶん、デザインが、重視されるのでしょう。



ということで、日本人は、日本製品が、世界で評価され、使われているのかと思っていますが、
そうではない、ということです。


日本の大都市のインフラが、実は、世界のトップクラスであるという反面で、
日本製品が、世界で評価され、使われているというのは、実は、「幻想」となっているのです。



ヘルシンキで、唯一、日本風で、がんばっている感があるのが、寿司店です。


フィンランドの寿司店は、ほかの海外各国にある寿司店と異なり、
日本人が食べても、かなり美味しいのです。


ショッピングセンターでも、10ユーロから15ユーロぐらいで、
本格的な、いい寿司を楽しめます。


これが、唯一の「日本風」の例外で、他には、街を歩いても、
ショップに入っても、全く日本的なものを見かけないというのが、欧州の現実です。



ですから、欧州が、EPA(経済連携協定)で、日本製品の関税を撤廃したり、低減しても、
欧州の一般の人からは、文句は出ない。


そもそも、日本製品を見かけることが、ほとんど皆無、というのが、欧州の状況なのです。


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