NY1メルマガ2018.4.26「ドル全面高。アメリカは金利3%で、デフレ脱却の優等生」

『メルマガ読者サロンページ』
ご自由にお読みいただけますが、初回のみ、無料メルマガにご登録下さい。
→まだ、無料登録がお済みでない方は、こちらから。
ドル全面高。アメリカは金利3%で、デフレ脱却の優等生
2018.4.26


【メルマガ読者登録(無料)・登録解除】
http://www.movie-marketing.jp/melmaga-koukoku

まぐまぐ殿堂入り・「MONEY VOICE」採用メルマガ
http://www.mag2.com/m/0000270230.html

【号外広告のお問い合わせ】080-1721-5482(随時)
http://www.movie-marketing.jp/koukoku2


---きょうのご挨拶--------------

こんにちは。児島です。

アメリカの長期金利は、3%まで上昇し、
デフレ脱却の優等生ぶりを示しています。

これに伴って、ドルは全面高。

金利3%の世界は、いまでは「奇異」に映りますが、
通常の経済活動では、あたりまえの金利水準です。

-------------NewYork1本勝負----



■アメリカの長期金利は、3%へ


世界は、久しく、金利がないという、
異常な状態に陥っていました。


しかし、アメリカは、
FRBのバーナンキ議長(当時)の活躍もあり、
4月25日のNY市場では、長期金利が3.03%に。


金利がないという、「異常な世界」から、
金利が存在するという、「元の世界」に、
戻ろうとしています。


アメリカの長期金利は、アメリカ国債の10年物が、
指標となっています。



■アメリカ国債の10年物とは


アメリカ国債10年物は、シンプルに話しますと、
固定金利2.75%が、10年間支払われ、
償還(お金が、国債保有者に戻る)される、というものです。


この10年物のアメリカ国債が、
「98.03」という市場価格で、取引されています。
※2018年4月25日のNY市場


これは、額面が「100」のものが、
「98.03」で取引されているということで、
平たく言いますと、「額面に比べて、割安な価格」です。


なぜ、割安かというと、これは、償還までの10年間のうちに、
インフレが進んで、価値が、実質目減りするだろうという、
予測からです。

これが、調整されているのです。


ですから、アメリカは、デフレ基調からは完全に脱却し、
金利が存在する世界に、しっかり戻ってきている、
ということです。


インフレ率が、しっかりしてきている、というわけです。


ですから、単純化しますと、
固定金利の2.75%と、

「額面100に比べて割安な価格=10年分の割安価格」、
つまり、10年間で、約2%割安、

1年間では、平均すると、約0.2%割安になる分の合計が、
市場での金利ということです。


これが、アメリカでは、3%ぐらいになってきているのです。



■アメリカのインフレ率は、正常化している


インフレは、日本では、日常生活では、
忘れられる事態になっていますが、

インフレは、物の価格が、毎年上昇し、
マネーの価値は、目減りするという現象です。


例えば、今年100円で売っていた商品が、
来年は、103円になっている、
これが、以前の世界では、普通でした。


しかし、日本では、
今は、何年たっても、同じ価格とか、
逆に値下がりしているという状態です。


インフレ率があったことを、
日本では、既に忘れてしまっていますが、

以前は、お店の値札は、
毎年、付け替えられていたのです。


値札を付け替えるのは、めんどうだ、
今みたいに、同じ価格が、楽でいい、
という見方も、あるでしょう。


しかし、インフレ率は、経済の原動力なのです。


来年になったら、値上がりしているので、
早く買っておこう、という動きが起きます。


これが、経済活動の原動力になるのです。


ですから、デフレ放置の考え方は、
風邪で熱が出ると、めんどうだから、
体温ゼロにしよう、ということに近いわけです。


体温がないと、経済が動かず、
デフレの雇用喪失によって、ひどい生活苦が、
国民を襲うことになります。



一方で、アメリカの長期金利は、
3%まで上昇してきました。


3%あれば、もう、デフレ基調に戻ることは、ないでしょう。


そもそも、アメリカは、デフレになっていない、
という見方も、当然できます。


ですから、正確には、
「金利がない、異常な世界からの脱却」という意味です。


昔は、金利が5%ぐらいの時期も、
普通にありましたから、
3%でも、高い水準とは、言えませんが、

「金利がない世界」からの脱却に、
アメリカは成功した、ということです。


シンプルに言えば、アメリカは、
デフレ(基調)脱却の優等生、です。



■長期金利の上昇は、「悪者」ではない


よく、日本のメディアで、長期金利の上昇が、
「悪者」のように、書いていることがあります。


しかし、長期金利は、体温のようなものです。


低すぎると、デフレになるのです。


ですから、自然な長期金利の上昇は、
インフレ率が、戻ってきたことを示し、
いいことです。


それに伴って、マーケットで、
個別の問題は、いろいろ起きるのですが、
※昨日メルマガの「アジア通貨危機」関連をご参照

「体温のある経済」「経済活動の活発化」という
観点からは、アメリカの長期金利の上昇は、
歓迎すべき現象です。


これは、やはり、FRBのバーナンキ議長(当時)の
手腕が、優れていたことを示しています。


デフレの専門家を、デフレ懸念の時期に、
FRB議長に据えていた、ということ自体が、
アメリカの、すごいところです。



さて、このメルマガでは、
もっと日本の金利を下げろと言っているではないか、
という指摘もあるでしょう。


これは、次のようなメカニズムです。


金利(実質金利)を下げる、
そして、経済活動が刺激され、正常化する、
これに伴って、
今度は、金利が上昇し、インフレ率が上昇する、
ということです。


日本は、この実質金利を下げるところが、
うまくいっていないのです。


名目のインフレ率が、低いですから、
もっとマイナス幅を大きくする必要が、
あるわけです。


これが、できていなくて、デフレ脱却が、
日本では、遅々として進まないのですが、

「アメリカ頼み」で、
アメリカがデフレ懸念から遠ざかったことは、
日本のデフレ脱却にも、好影響は、あるでしょう。





◇ビットコイン「投げ銭」して下さる方は、
こちらのビットコイン・アドレスへ。
3Pc5T9EmbZtx4mdsaPrSfxWhzvaNPdmFBN


※このメルマガは、長期の景気循環を念頭に、経済のファンダメンタルズについて書いたもので、
短期的な個別株式、為替の値動きを示唆するものではありません。
※情報の収集には、万全を期しておりますが、記事による、いかなる損失にも、責任を負うことはできません。

コメント