NY1メルマガ2017.11.20「サンマルクにも、個人消費低迷の影響が」

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サンマルクにも、個人消費低迷の影響が
2017.11.20



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－－－きょうのご挨拶－－－－－－－－－－－－－－


こんにちは。児島です。

東洋経済オンラインが、
「絶好調だったサンマルクが急失速した理由」と
報じています。

サンマルクも、個人消費の低迷の影響を受けているようです。

基本的な見方は、前回の幸楽苑のメルマガ記事と同じです。


－－－－－－－－－－－－－NewYork１本勝負－－－－


■サンマルクの高価格が、もたない


サンマルクは、ベーカリーレストランや、カフェを
手広く展開。


もとは、岡山の会社です。


焼きたてパンが、食べ放題の
ベーカリーレストラン「サンマルク」で、
成功しました。


この会社の経営者は、
もともとは、飲食業の専門ではありません。


アルバイトを雇い、低コストの運営で、
デザインが綺麗な店舗で、高めの価格を設定。


一方で、焼きたてパンの「おかわり」を自由に。


調理も、報酬が高い、一流シェフを、
店舗ごとに雇っているわけではありません。


しかし、出店戦略のうまさと、店舗のデザイン性で、
急成長してきたわけです。


来店客の誕生日にあわせて、ダイレクトメールを送るといった、
うまさもありました。


そして、そのカフェ業態が、サンマルクカフェです。


やはり、デザイン性と、駅前へのうまい出店で、
成功しました。


しかし、いずれも、価格は、高めなのです。


これまで、出店戦略のうまさで、高価格を維持してきましたが、
前のメルマガで、ラーメンチェーン「幸楽苑」の
大量閉店の理由を書いたように、
日本の個人消費の低迷が、今回のサンマルクの失速の原因です。

（１１月１１日記事）
幸楽苑の店舗閉鎖は、デフレ激化が原因の可能性
http://archives.mag2.com/0000270230/20171111143340000.html


つまり、値段が高すぎて、日本の消費者が、
ついてゆけない事態に、なっているのです。



■価格選好が強まり、ドトール、マックが脅威に


これまで、出店戦略のうまさで、サンマルクカフェは、
うまくいっていました。


しかし、ドトールコーヒーやマックと、
詳しく比較すると、サンマルクカフェは、実は弱いのです。


メニューは、ドトールの方が、リーズナブルで、おいしい。


価格は、マックが、圧倒的に安く、最近は、店舗のデザイン性も向上。


これまでは、出店戦略のうまさで、サンマルクは、
こうした点をカバーしてきたのですが、
個人消費が非常に厳しい状態で、消費者が、細かい反応を示し始めたわけです。


私個人の行動でも、敬遠していたマックに回帰するとともに、
最近は、サンマルクカフェよりも、ドトールに行きます。


サンマルクカフェは、昔は、良く寄ったのですが、
かなり前から、行かなくなりました。


サンマルクカフェの店内をのぞくと、お客さんが多いので、
他の人は、あまり気にしないのかと思っていたのですが、
個人消費の厳しさから、こうした点が顕在化してきたようです。



■サンマルクの経営は当面安泰も、課題解決は難しい


もっとも、サンマルクは、これまで、非常に多くの利益を蓄積しており、
今回の失速で、どうにかなるような経営状態ではありません。


いわゆる、業績の伸びが、落ちてきた、という状態です。


しかし、中低所得者の懐事情が厳しい中で、
これまでどおりの「高価格路線」を維持するのは、難しいでしょう。


また、高所得層にアプローチするのも、難しいです。


以前、田園調布の近くの、多摩川沿いに、
サンマルクがあったのですが、ここは、閉店しています。


つまり、本場のシェフが、店にいるわけではないので、
高所得層は、サンマルクには行かないわけです。


今回のサンマルクの失速は、日本のデフレで、
「高価格」の支出の余裕がない、日本の中低所得者に、
どう対応するのかという問題であり、
サンマルクにとって、かなり難しい問題です。




※このメルマガは、長期の景気循環を念頭に、経済のファンダメンタルズについて書いたもので、
短期的な個別株式、為替の値動きを示唆するものではありません。
※情報の収集には、万全を期しておりますが、記事による、いかなる損失にも、責任を負うことはできません。