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イールドカーブフラット化、「同じ」に見える2種類の違いとは・・
2018年12月
こんにちは。児島です。良く見かける、イールドカーブのフラット化のニュース。
景気に良くないサインとして、語られることが多いですね。これには、2種類あり、今、進行中なのは、やはり良くないサインです。(2018年12月)
おもに、米国のイールドカーブが、語られることが、多いです。
■イールドカーブフラット化とは・・
イールドカーブは、その国ごとに、形状が現れます。(通常は、国債のイールドカーブ)
つまり、その国の、国債の金利水準を、左側から右側へと、満期(償還)までが、短い順から、長い順へと並べ、グラフにして見るのです。
横軸で見ると、左側には、期間が短い国債。右へいくほど、期間が長くなります。
左側は、3ヶ月とか、1年で、満期となる国債。右側は、10年、20年、30年物の国債です。
縦軸は、金利の水準です。高い場合は、上に位置し、低ければ、下になります。
こうして、横一線に、並べて線でつなぎ、傾きが、あるかないか、フラット(平坦)化しているか、右肩上がりか、などを、観察するわけです。
■通常は、右肩上がり
通常の経済状態では、20年物とか、30年物の国債の方が、金利が高くなります。
これは、お金が戻ってくるのが、20年先とか、30年先なので、その分、「期間のリスク」に対する、プレミアムが付くためです。
普通に考えれば、わかりますが、1年で帰ってくるお金と、20年後に帰ってくるお金では、20年先の方が、不確定要素がありますから、その分、金利が高めになるのです。
この場合、左側の、3ヶ月満期(償還)とか、1年物は、金利が低めで、右側の20年物とか、30年物は、それよりも、金利が高めです。
ですから、通常のイールドカーブは、左が低く、右が高いという、右肩上がり、というわけです。
■フラット化するパターンに2種類ある!
イールドカーブのフラット化は、フラット=平坦になる、つまり、期間が短い国債と、長い国債の金利が、同じような金利になる現象です。
これは、しばしば、経済ニュースでも、でてきますね。重要視されているのは、やはり、アメリカの状況です。
さて、もともと、右肩上がりの形で、棒を持ったとして、傾きが平坦になるには、どうすれば、平坦になるでしょうか?
1つは、右肩上がりの棒の、左側を上げると、フラット=平坦になりますね。
2つめは、右肩上がりの棒の、右側を下げると、フラット=平坦になります。
つまり、最初の1つめは、短期金利が、上昇して、フラットになる場合です。
2つめは、長期金利が下がってきて、フラットになる場合です。
このように、2種類あるということです。
■経済ニュースでも、混同されやすいフラット化
見た目は、2種類とも、フラット=平坦になるわけで、経済ニュースでも、イールドカーブが、フラット化しているので、景気悪化のサインではないかと、報じられることが多いですね。
これは、報道でも、2種類の、区別がついている人と、区別がついていない人が、いるようです。
1つめは、FRBの利上げ初期などに、起きるパターンです。
FRBが、景気回復に合わせて、政策金利(短期金利)を、引き上げるので、左側が上がって、フラットになるのです。
この現象をみて、不況入りだ!と、騒ぎ立てるケースも、見かけますが、これは、あまり問題ありません。
つまり、FRBが金利を上げて、左側が上がってきても、景気が良いので、時間の経過とともに、右側の、長期金利も、徐々に上がってくるからです。
ですから、左側が上がって、フラット化しても、
しばらくすると、右側も上がってきて、再び、右肩上がりになってくる、ということです。
この場合は、景気が良い時ですから、フラット化しても、景気が悪化するサインでは、ありません。
この時期にも、フラット化のニュースを見かけますが、これは、2種類の意味を間違えているな、と、ニュースを見てお思い下さい。
■2つめのパターンは、本物
一方、右肩上がりのイールドカーブだったのが、右側の方が下がり始め、フラットになる場合は、
要注意です。
不況の、前兆というわけです。
つまり、20年物国債とか、30年物国債など、
長期・超長期の国債の金利が、下がり始めたら、
要注意ということです。
これは、どういうことかと、いいますと、短期の国債は、あまり、影響を受けていなくても、20年先、30年先を見れば、たぶん、不況になっているはず、(不況を経ているはず)という意味なのです。
不況で、経済が弱いと、金利は低くなり、また、FRBの「利下げ」も、その頃までには、行われているだろう、と、いうことで、長期・超長期の金利が下がってくるのです。
これは、将来の不況を、織り込んでいる、という現象です。
ですから、長期(超長期)の金利が、下がり始めると、これは、良いことではなくて、景気の先行きには、良くない現象です。
最近、時々見かけるアメリカのイールドカーブのフラット化のニュースは、こちら(2つめ)の、パターンにあたります。
前に、フラット化のニュースを見たけど、それは関係なかったはず、と思っていると、今度は、本物のタイプに、なっていたりしますから、その点は、注意が必要です。
まとめますと、景気の循環での、将来の不況を織り込んで、長期・超長期の金利が下がり、イールドカーブがフラット化しているのは、中期的には、景気循環的な不況のサインというわけです。
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【編集後記】
日本の場合、ずっと、人為的にフラット化していますから、景気は、ずっと良くないわけです。(児島)
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