【NY1】✅2兆円超買収!セブン&アイは、ガソリンスタンド経営に追われることになる

こんにちは。児島です。 セブン&アイ・ホールディングスは、 米国セブン-イレブンを通じて、 米国の石油精製会社、 マラソン・ペドロリアムから、 210億ドル(約2兆2000億円)で ガソリンスタンドと、 併設のコンビニエンスストアを、 買収すると発表しました。 

これは、単なる コンビニ買収ではなくて、 ガソリンスタンドの経営も、 うまくやる必要があるのですが・・ きょうのメルマガです。
 (2020年8月3日)



■2兆円超のガソリンスタンド・コンビニ買収劇

セブン&アイ・ホールディングスは、 米国セブン-イレブンを通じて、 米国の石油精製会社、 マラソン・ペドロリアムから、 210億ドル(約2兆2000億円)で、 「スピードウェイ」ブランドの、 ガソリンスタンドと、その併設型 コンビニエンスストアを、 買収すると発表しました。 

セブン&アイの発表資料によると、 アメリカでは、 ガソリンスタンド併設型の コンビニが多く、全体の8割前後。 米国セブン-イレブン (本社・テキサス州、 全体約9800店舗)では、 2018年1月に、スノコ社から ほぼガソリンスタンド併設型の コンビニ1030店舗を買い取っており、 こうした店舗での経営の実績から、 今回の大型買収を進める決断を 下したものとみられます。 

セブン&アイの資料から 伺えるのは、 そこそこのガソリンスタンド 経営を続けて、 併設のコンビニで、 利幅の大きい、オリジナル商品の 扱いを増やせば、堅調な経営が できるだろうという狙いです。 (=規模のメリットの部分) 

 実際、これまで、 米国セブン-イレブンは、 ちょこちょこ、 小さめの買収を進めており、 その自信も、伺えます。 こうした実績のもとで、 今回「スピードウェイ」 ブランドを主力とする、 約3900店舗を、 一気に手中におさめるという、 経営判断をしたのでしょう。 


■日本と異なる米国の「コンビニ」 

 日本のコンビニエンスストアと、 米国の「コンビニ」は、 大きく事情が違っています。 コンビニは、 アメリカで始まったものを、 日本で「開花」「進化」させた形で、 現状では、日本のコンビニのように、 商品が整った店は、 アメリカでは、ほぼ皆無です。 

日本のコンビニ各社のような、 細かなオペレーションは、 アメリカでは、 実行することができず、 日本人の感覚では、 雑貨店とコンビニの間のような 店の感じであり、 調理パンや、お菓子、ドリンクも、 それほど、そろっていません。 

米国セブン-イレブンは、 アメリカのコンビニの中では、 頑張っていて、 商品価格も安かったり するのですが、 アメリカ人自体が、 あまり、細かな良し悪しを 気にしていないところもあり、 そこが難しいところです。 日本のように、 商品の補充や配送を、 細かく行うことはできず、 もし、それを実行すれば、 膨大なコストがかかります。 

こうした状況もあって、 アメリカでは、 コンビニが成長産業とは、 思われておらず、 また、実際に、 成長産業ではない可能性も、 あるのですが、 このため、業界トップの 米国セブン-イレブンでも、 店舗数のシェアは、約6%に過ぎず、 ダイナミックなM &Aのような、 大きな資金が入って来ないため、 コンビニ業界自体が、 「小規模乱立」か、 「小規模分散」のまま、 という感じなわけです。 


■セブン&アイ全体の有利子負債は3兆円へ 

今回の買収で、 セブン&アイ・ホールディングスは、 210億ドルのうち、130億ドルを ブリッジローン、80億ドルを、 日本側から米国セブン-イレブンの 増資の引き受けで調達しますが、 計画では、 現在は、約1兆円規模の 有利子負債が、 今回の買収の直後には、 約3兆円規模に膨らむ見通しです。 (資産売却で約2兆6000億円に圧縮予定)

グループ内には、 そごう・西武の経営の難題や、 イトーヨーカドーの 今後の姿をどうするのか、など、 微妙な問題も抱えています。 セブン&アイの株価が、 今回の買収の発表に、 ネガティブな反応を示したのも、 仕方がないでしょう。 

マラソン・ペドロリアムにすれば、 210億ドル、約2兆2000億円を 手に入れることができるため、 良い話でしょう。 


 ■実は、ガソリンスタンド部門は、伸びていない

今回、一番気になる点は、 実は、ガソリンスタンドの経営に 関しては、 米国セブン-イレブンが、 これまでに、 スタンドとコンビニ店舗を、 スノコ社から買ったあとも、 ガソリンの売上数量の これらの店舗での 前後の比較では、 微減だったりして、 あまり伸びていないのです。 

そして、今回の買収対象の 「スピードウェイ」は、 販売額の割合では、 ガソリンの販売額が大きく、 コンビニ商品の販売額の割合は、 小さめなのです。 つまり、薄利多売の ガソリンの比率が大きくて、 コンビニの方は販売額が小さめ、 そのコンビニで、かなりの 利益を上げている構造です。 

これは、どういうことかと 言いますと、 販売額が大きい、 ガソリンの販売の方が、 もし、どうにかなってしまうと、 一挙に傾いてしまう可能性も、 あるということです。 

これは、 コンビニの経営というよりも、 ガソリンスタンドの経営が、 重要になるということで、 店舗数が今後増えてきますと、 ますます、 そのような「スタンド色」が、 強まってくる可能性があります。 

現在のアメリカの コンビニのシェアが、 細かく分かれているのも、 もしかしますと、 ガソリンスタンドの経営が、 難しくて、 そのようになってきたのかも、 しれませんね。 

ということで、 今回の買収の完了後には、 セブン&アイ・ホールディングスは、 ガソリンスタンドの経営に、 追われるようになるでしょう。
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