【NY1】なぜか日本では議論されない 実質金利。金融緩和、引き締めは、これで決まる

【今日のニュース】2024.9.26.
『なぜか日本では議論されない実質金利。
金融緩和、引き締めは、これで決まる』



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----きょうのご挨拶------


こんにちは。児島です。

日銀の金融政策のニュースは、
よく見かけますが、なぜか、
最も重要な実質金利については、
ほとんど報じられないですね。

実質金利をみないと、金融政策
が、緩和なのか、引き締めなのか、
実は判断できないのですが・・

きょうのNY1メルマガです。


------NewYork1本勝負----


■名目の金利ではわからない金融政策


中央銀行の政策金利が、
緩和なのか、引き締めなのか
は、名目の金利の数字では、
わかりません。


つまり、政策金利が0.25%
だとしても、
これが金融緩和なのか、
金融引き締めなのか、
あるいは、中立金利なのかは、
インフレ率と比較しないと、
わからないのです。


この話は、メディアで、なぜか
ほとんど報じられません。


例えば、同じ0.25%であっても、
あるときは、金融緩和であり、
また、あるときは、
金融引き締めなのです。


要するに、カギとなるのは、
インフレ率との比較です。



■2024年の日本は、金融緩和


2024年の日本は、金融緩和です。

2024年9月26日時点で、
日銀の政策金利は、0.25%。


インフレ率は、2%前後で
推移していますから、
インフレ率と比較しますと、
かなり金利は低いことが
わかります。


インフレ率の2%との比較
ですから、政策金利が、
0%でも、0.25%でも、
低いことには、大差ない
ですね。


これが実質金利のマイナス
状態です。


なにしろ、物価の上昇よりも、
預金などの金利が低いわけ
ですから、預金やお金の
交換価値は、年々下がると
いうわけです。


それは、まずい、と思われる
かもしれませんが、
実は、それが、あたり前、
なのです。


預金やお金の価値が減価する
ので、早く買っておこう、
投資しておこう、となります。


それが、経済の原動力となって、
景気や消費がまわるのです。


いまでは、預金やお金は、
減価しないと思う人が、
多いですが、
以前の日本では、預金や
お金は、減価していました。


インフレ率や、預金金利が
存在し、貨幣価値は、年々、
少しずつ減価する、という
のが、一般的な感覚だった
のです。


世界でも、それが、あたり前
なのですが、日本だけが、
異様なデフレ不況に陥ったので、
現在の日本の感覚が、実は、
異常になっているのです。


■黒田総裁の時代は、金融緩和ではない


これは、日本のデフレ傾向が、
なぜ、世界でも異様なほどに
続いたのか、という原因にも
なる話ですが、
黒田総裁時代の日銀は、
いわゆる「本筋」である、
政策金利では、
金融緩和を行っていません。


政策金利が、ゼロや、
ややマイナスであっても、
インフレ率が、
ゼロや、マイナス(=デフレ)
で同じぐらいであれば、
金融緩和効果は、ないのです。


黒田総裁は、しきりに、
マインドが変化しない、という
説明をしていましたが、
貨幣価値が減らないのですから、
預金や、お金が、そのまま
動かないのは、あたり前なのです。


つまり、預金や、お金の価値は、
減らないか、デフレで、逆に、
価値が増すわけですから、
積み上げたまま、動かさない、
というのが、合理的です。


日銀は、政策金利をマイナス2%
程度にしなければ、ならなかった
のですが、それをせずに、
デフレで、日本経済や国民生活が
ボロボロになるのを放置した
責任は、極めて重いです。


ちなみに、ECB欧州中央銀行は、
思い切ったマイナス金利で対応し、
FRBは、アメリカ経済の活力で
インフレ率が、日本ほどには
低下しなかったため、
ゼロ金利で対応可能でした。


■「大規模緩和」報じたメディアの責任も


メディアも、これは、
本当に大規模緩和なのか?と、
「点検」しなかった責任が
あります。


なぜ、こうしたおかしなこと
になるのか、といいますと、
やはり、「実質金利」に関する
理解が欠けていた、というのが
原因でしょう。


また、ECBやFRBの
金融政策との比較が、
しっかりできていない、
ということになるでしょう。


また、実質金利について、
しっかり理解していれば、
日経平均が4000円超の下落を
しても、元の水準に戻った
ことも、不思議ではないの
です。


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【編集後記】
投資の世界では、実質金利が
マイナス状態かどうかは、
重要な確認事項です。

日銀が、ECBのように、
すぐに大幅なマイナス金利
にしていれば、
これほどまでに、
日本経済や国民生活が
疲弊することもなかった
でしょう。
(児島)




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(児島)




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