【NY1メルマガ】マイナス金利「是非」の議論が無意味な理由(2019.12.24メルマガ)

マイナス金利「是非」の議論が無意味な理由
(2019.12.24)
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こんにちは。児島です。 最近は、さすがに、 無意味な「生産性」論議は、 あまり、見かけなくなりましたが、 マイナス金利の「是非」については、 時々見かけます。 きょうは、マイナス金利自体の「是非」は、 ほとんど意味がないことをお伝えしましょう。 きょうのメルマガです。 

■マイナス金利自体の議論は、意味がない 

マイナス金利自体の議論に 意味がないというと、 驚かれる方も、多いでしょう。 マイナス金利についての議論は、 重要なのではないか? ところが、これは、 ほとんど意味がないのです。 

例えば、政策金利3%の 「是非」「功罪」と言うと、 どうでしょう? これに、意味があるという人は、 あまりいないでしょう。 というのは、 政策金利が3%というのは、 状況によって、 「金融緩和」にもなるし、 「金融引き締め」にもなります。 実際、かつての 経済成長途上の日本では、 3%というのは、低金利でした。 ところが、今では、高金利ですね。 重要なのは、 インフレ率との比較であって、 「3%」という数字自体に、 意味はないのです。

状況が、インフレ率5%であれば、 政策金利3%は、金融緩和です。 インフレ率が1%であれば、 政策金利3%は、金融引き締めです。 政策金利の数字というものは、 インフレ率との比較で、 意味が生じるものなのです。 

■いまの日本も、単純な話 

いまの日本も、単純な話です。 日本はインフレ率が、 ゼロ近辺ですが、 このインフレ率の状態では、 ゼロ近辺の政策金利(現状)は、 現在の経済状況の「持続」を示します。 (→これ重要!) 

つまり、インフレ率がゼロ近辺で、 政策金利をゼロ近辺(正確には、微マイナス)に している現状の政策金利は、 デフレを持続させるものです。 実際、デフレが続いていますね。  
きょうは、ネットで、 年末年始の、「いきなりステーキ」の 大量閉店の話題を見かけましたが、 日本では、閉店や倒産が相次いでいます。 このように、 インフレ率がゼロ近辺での、 日銀の現在の金融政策は、 『デフレ持続型』であって、 金融緩和ではありません。 金融のプロであれば、これは、 知らないはずは、ないのですが・・ 

ですから、現状の日本の インフレ率ゼロ%近辺の場合、 金融緩和をするには、 ごく単純な計算で、 0−2=−2とか、 0−1=−1という数字になります。 この「数字自体」には、 政策金利3%に意味があるのか、 という、最初の話のとおり、 数字自体に意味はありませんが、 インフレ率との比較では、 重要な意味があるのです。 

インフレ率がゼロ近辺で、 政策金利が−1%は、 やや金融緩和。 インフレ率がゼロ近辺で、 政策金利が−2%は、 金融緩和です。 もしも、 インフレ率が、−2%であれば、 政策金利が、 たとえ−1%でも、−2%でも、 金融緩和ではありません。 
このように、「数字自体」とか、 「マイナス金利自体」について、 一般論を言うのは、意味がなく、 インフレ率との比較でのみ、 重要な意味がある、ということです。

■インフレ率2%には、大きな意味がある 

ところで、こんどは、 政策金利の話ではなく、 インフレ率の話ですが、 FRBやECBが、インフレ率2%を 目標(ターゲット)としていますね。 政策金利の2%は、 数字自体には意味がありませんが、 インフレ率2%には、 大きな意味があるのです。 

ちょっと、 ややこしいかもしれませんが、 最初にしたのは、政策金利の話で、 今度は、インフレ率の話です。 このインフレ率2%が、 なぜ重要で、欧米の中央銀行が、 ターゲットにしているのか、 それは、ゼロと2%の間に、 2という数字分しか、 間には、ないからです。 

つまり、 金融緩和をするには、 インフレ率よりも、 政策金利を低くする必要がありますが、 インフレ率が、 実際に2%よりも低くなってしまうと、 政策金利は、「ゼロ」と「2」の間でしか、 通常の政策金利の設定を、 できなくなるためです。 

日本は、ずっとインフレ率2%を 下回っていますから、 プラス金利の通常の世界では、 金融緩和機能を喪失しているわけです。 インフレ率が、ゼロ近辺になれば、 政策金利が、1%とか、1.5%でも、 金融引き締めになるのです。 1%とか、1.5%というと、 数字自体は、低金利の印象ですが、 これが、インフレ率との比較になりますから、 金融引き締めなわけです。

いまの日本の構図は、 そういう感じですね。 日銀の政策金利は、低そうに見えますが、 実は、金融緩和をしていない、 ということです。 
このように、話は、 実にシンプルなのですが、 なぜ、「マイナス金利の功罪」とか、 それらしいニュースが 出てくるのかと言うと、 これは、 現状の日銀のデフレ政策を 「援護」する狙いでしょう。 

つまり、日銀の現状の金融政策が、 「金融緩和」だと思い込ませ、 本当の金融緩和を避けて、 「デフレを持続させる」、 こういう狙いでしょう。 世間では、閉店や倒産ラッシュで、 実際どうであるかは、 バレバレであるわけですが、 デフレ持続型の金融政策へ、 世論を誘導する意図があると 思われます。

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