NY1メルマガ2018.5.14(続)世界金融史上、異常な金融政策を続ける日銀

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(続)世界金融史上、異常な金融政策を続ける日銀(2018.5.14)

こんにちは。児島です。 前号に続き、世界の金融史上でも、異常なデフレ政策を続けている、日銀について、です。 異常な金融政策と言うと、日銀の「異次元金融緩和」が、異常であって、元へ戻せ、という話と思われるかもしれません。しかし、話は、まったく逆なのです。 ■「異次元金融緩和」は、フェイク造語 日銀の「異次元金融緩和」という言葉を、しばしば、経済報道で目にしていると思います。しかし、これは、マスコミ用語であって、日銀は、実際には、それほど異次元の金融緩和は、していません。 本来の「異次元金融緩和」というのは、例えば、インフレ率がゼロの場合に、政策金利をマイナス5%にするとか、そういうものです。 日銀は、しばしば、「量的緩和」という表現で、言っていましたから、日銀自身は、ウソは言っていません。 つまり、デフレで物価が下落しているときに、ゼロ金利よりも、名目金利を下げることが、不可能となったので、代わりに、株を買ったり、したわけです。 これを、「異次元の金融緩和」であると、誤って解釈し、報じたのが、問題であるわけです。 インフレ率が、マイナス傾向(=デフレ)の中で、名目金利を、ゼロより下げることができないので、金利を下げずに、代替策をとったまで、です。これは、金利を下げることができなかったので、あくまで、代替策をとったに過ぎません。 ですから、株価の底割れを回避するとか、1ドル=100円を割り込むような、極度の円高を避ける、という効果を狙うものです。 しかし、本来の金融緩和である、金利は、それほど、下げられていないのです。微マイナスが、せいいっぱい、というところです。


■アルゼンチンに置き換えると・・

この問題は、アルゼンチンに置き換えると、わかりやすくなります。アルゼンチンは、27.25%の政策金利では、インフレや、通貨安が止まりませんでした。

27.25%の政策金利は、金利の、名目上の数字自体が高くて、引き締めのように見えますが、インフレや、通貨安が止まらなかったのです。

これは、つまり、アルゼンチンの国民生活での、実勢のインフレ率が、27.25%を超えているので、効かない(=利上げが足りない)、ということです。

そして、政策金利を40%にして、ようやく、通貨安も沈静化の傾向をみせています。つまり、アルゼンチンの実勢のインフレ率は、おそらく、40%近辺なのでしょう。

このため、政策金利を40%にすれば、とりあえず、バランスがとれてきた、というわけです。


■日本のデフレが止まらない理由

勘の良い方は、ピンときたでしょう。日本の場合、実勢のインフレ率は、日銀の政策金利よりも、もっとデフレ、ということです。ですから、デフレが止まらないのです。

アルゼンチンの中央銀行が、中途半端に利上げしても、実勢のインフレ率に合う水準まで、利上げしないと、効果がないのと同様に、日銀が、わずかに「金融緩和」しても、実勢のインフレ率(デフレ)に、見合わないと、デフレは止まらないのです。

こうした点からわかることは、日銀が、デフレを止めようとすると、アルゼンチンの中央銀行が、政策金利を40%にしたような行動(=日銀の場合は、利下げ)を、とらなければ、デフレは止まらない、ということです。

アルゼンチンの中央銀行は、通貨防衛の必要から、緊急利上げを連続して、政策金利を、素早く40%にしましたが、日銀の現状は、アルゼンチンの中央銀行に例えれば、金利40%は厳しいので、30%ぐらいで、なんとかならないかと、希望的観測で、様子見しているようなものです。

しかし、実勢のインフレ率に比べて、金利の調整が足りない場合は、効果がありません。
(日銀の場合は、デフレ)

考えてみれば、わかりますが、アルゼンチンの中央銀行が、金利30%で、なんとかならないかと、願ったところで、どうにもなりません。


■実勢のインフレ率(デフレ)にあった、政策金利が必要

日銀が、実勢のインフレ率(デフレ)に合わせて、政策金利を調整しなければ、日本のデフレは、止まりません。どんなに、良いことを言っても、インフレ率や、為替レートは、
「本当の数字」を見抜きます。

アルゼンチンの中央銀行が、どう言おうと、適正な政策金利にしないと、通貨安が止まらないのと同じです。

「異次元金融緩和」と言っても、(マスコミが勝手に言っているのですが)日本では、実際には、それほど金融緩和は、行われていない、ということです。

「異次元金融緩和」の是非が、議論されたりしますが、そもそも、「異次元金融緩和」は、存在しないので、意味があるとは、思えません。

存在したのは、株式購入などによる、株価の底割れ回避などであって、それほどの金融緩和は、最初から、なかったのです。

実勢のインフレ率(デフレ)に見合っていない、政策金利で、好転を願っている、これが、日銀の現状であって、デフレ型の金融政策が、日本国民の生活を直撃し、世界の歴史を見ても、異常な金融政策が続けられているのです。


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