NY1メルマガ2018.9.26「アメリカ型インフレより、日本型デフレが恐ろしいわけ」

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アメリカ型インフレより、日本型デフレが恐ろしいわけ
2018.9.26
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※筆者追記 2020.10.18
縄張り=現場立入り禁止のテープの意味
警察の現場保存テープで囲われた場所。
NY市警などが、事件現場に貼っている。
いわゆる「業界用語」=縄張り※


東京の鉄道では、人身事故は、
ほとんど毎日のようにありますから、
追い詰められているのは、
日本人なのです。


こうした中で、
「日本のデフレ礼賛論」を流す識者は、
極めて悪質か、労働市場について、
全く知らないか、です。


ポイントは、2つあります。


日本で、解雇は、事実上、
自由に行われていることと、

デフレでの雇用の喪失による、
国民生活の破壊です。


「デフレ礼賛論」を流す識者は、
解雇や、所得の喪失が、
存在しないという、前提です。


つまり、現実の日本では、
収入が、半分や、3分の一、
あるいは、ゼロになる国民が、
実際に、続出したわけですが、

フェイク識者は、
収入が固定で一定であるか、微減という、
前提であるわけです。



これは、公務員や、雇用が安定した、
研究員の場合は、そうですが、
それは、
公務員や、安定した研究員のみの話で、

フェイク識者の話は、ほとんどの国民には、
全く、あてはまらない話、ということです。



月収20万円の人が、
パンが、年に30円ずつ、
値上がりしているという状況と、

月収10万円に減った人が、
パンが同じ値段で値上がりしない、
という状況の、どちらが良いのか、
ということです。


もちろん、値上がり自体は、
生活を圧迫し、誰でも嫌なものですが、
昔の経済が好調だったころの日本も、
物価は、上昇していました。


このフェイク識者の話は、
物価の上昇が、心理的に、
歓迎されないことに付け込んで、

生活そのもの自体を破壊する、
デフレを肯定するという、
たちの悪い話です。


こうしたフェイクニュースをみかけたら、
経済が好調だったころの、
日本がどうだったのか、
思い出してみましょう。


ところが、日本経済が好調だったころや、
物価の上昇や、
定期預金に金利がつくことを、

まったく知らない世代が、
増えてきているわけで、

以前の感覚からすると、
「冗談のような経済状況」
「金利や物価上昇がない」なんて、
ウソでしょ、
という、おかしな世界に、
日本は、陥ったまま、ということです。




■日銀は、実は、金融緩和をしていない


では、なぜ、日本でデフレが続くのか?


これは、日銀が、実は、
金融引き締め、を行っているからです。


世の中、みんな、
「日銀の大規模金融緩和」と言ってるよ、
新聞もテレビでも、やってたよ、
というのも、ごもっともです。


しかし、日銀は、一番重要な、
政策金利(短期金利)の設定で、
金利を高め(引き締め、デフレ誘導型)に
しているのです。


つまり、株を買ったり、
量的緩和は、していますが、
肝心の短期金利は、高めなのです。


短期金利の設定は、
エアコンの温度調整のようなもので、
経済や景気、国民生活に、
大きく影響します。


物価上昇率に比べて、
短期金利が2%ぐらい低ければ、
金融緩和となります。


雇用喪失などが、起きた後なので、
これぐらい、しっかり、
金融緩和をする必要が、あるのです。


FRBやECBは、これをやったので、
景気が上昇し、
インフレ率も戻ってきています。


日本は、物価上昇率が低いので、
金融緩和を行うには、
短期金利をマイナス1%ぐらいに、
しなければ、効果がありません。



この話は、昔の生活実感では、
インフレ率よりも、普通預金の金利が低い、
これが普通、という状況です。


以前の日本では、普通預金では、
インフレ率に「負け」て、
目減りするのが、普通だったのです。


物価が、徐々に上がり、
物の値段が高くなるので、
普通預金の金利では、時間の経過とともに、
実質的に買える分が、減ってしまう、
こういうことです。


いまなら、100円で買えるが、
普通預金にして、
来年、100円で買おうとすると、
103円になっていた、という話ですね。


これは、現在のデフレの異常さに慣れれば、
103円がおかしい、と思えますが、

通常の経済状態で、
インフレ率が3%であれば、
これは、普通であり、
以前の好調な日本でも、そうだったのです。



しかし、いまは、普通預金でも、
目減りしないという、
相対的には、金利が高い状態です。


これは、インフレ率と、普通預金の金利が、
ともに、ゼロ近辺であるための、
「トリック」のようなものですが、
普通預金の金利水準は、高いのです。


つまり、いまの日本は、
金融緩和ではなく、金融引き締め状態、
ということです。


ですから、日銀が金融緩和をしても、
効果がなくて、デフレが続いている、
というわけではなくて、

日銀が、金利を高めにして、
金融引き締めを行っているので、
デフレが続いているという、
逆説的に言えば、あたりまえの話なのです。



■金融緩和かどうか、これをみればわかる!


日銀の金融政策が、金融緩和なのか、
金融引き締めなのかは、
実は、すぐにわかる方法があります。


企業の内部留保と、日銀の当座預金残高です。



企業の内部留保は、
様々な形で存在するとは言うものの、

実際、普通預金で、
そのまま積み上げている場合も、
結構あります。


100億円ぐらい、普通預金にしてある、
ということも、あるのです。


この内部留保の増減は、普通預金の、
実質的な金利水準を反映します。


つまり、いまは、
普通預金が有利な金融商品なので、
企業は、内部留保にしているのです。


経済的には、目先、合理的な行動です。


たとえ、儲かっても、普通預金が、
目減りする状況では、
設備投資にまわしたり、雇用にまわします。


はやく、使わないと、そのままでは、
実質的に、減ってしまうからです。


大企業の内部留保は、批判されていますが、
根本原因は、日銀の金融政策というわけです。



ですから、日銀が、金融緩和を行えば、
内部留保は、溶け出しますし、

一方で、金融引き締めを行えば、
高金利によって、「氷河」のように、
どんどん増える、こういうことです。


ですから、内部留保が増えるのは、
普通預金の金利が高い=短期金利が高い、
ということで、

内部留保が減るなら普通預金の金利が低い、
金融緩和が行われている、ということです。



これは、同様に、日銀の当座預金残高にも、
あてはまります。


銀行が、日銀の当座預金にお金を積むのは
金利が高いからです。


日銀が、金利を高めにして、
金融引き締めを行えば、
当座預金残高は、どんどん増えますし、

金利を低めにして、
金融緩和を行えば、日銀の当座預金残高は、
減ってくるはずです。

金融緩和のもとで、当座預金を積むと、
実質、目減りしてしまうからです。



このように、日銀の金融政策が、
本当は、どうなのかは、

企業の内部留保の推移と、
日銀当座預金残高の推移をみれば、
わかるということです。


金融緩和を行えば、これらは、
不利(=目減りする)となりますから、
減ってきます。

これらが、増えているということは、
実は、日銀は、金融緩和を行っていない、
ということです。




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