NY1メルマガ2017.6.30「メルケル首相がトランプ氏の保護主義を批判、ドイツの有利な構図とは」

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メルケル首相がトランプ氏の保護主義を批判、ドイツの有利な構図とは
2017.6.30
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以前も、メルマガで明らかにしましたが、ユーロは、欧州の様々な経済レベルの国の集合体です。


ドイツやフランスのような国もあれば、ギリシャやアイルランドも加わっています。


いわば、中央銀行をECB欧州中央銀行に一元化して、通貨はユーロに統一しています。


統一通貨で便利な反面、個々の国は、自国の中央銀行による金融政策を事実上放棄しているため、
自国の実情に合わせた金融政策をとることはできません。


経済が強い国も、弱い国も集まって、ユーロが流通しているということです。


それで、何が起きるかというと、ドイツのように経済が強い国は、欧州の弱い国も合わせて、
ユーロの為替水準が決まるので、
単独のドイツマルクに比べて、相対的に為替が安い水準を、いつも享受できるということです。


ドイツのような経済が強い輸出国にとっては、ユーロは極めて有利です。


ドイツの企業は、競争力は、そのままで、
為替は、欧州の弱い国を合わせた水準を使えるということです。


これは「反則技」ともいえるもので、
逆に、ギリシャなどは、自国の経済力に比べて、高い通貨となり、苦しむことになります。


ですから、何もしないままで、ユーロを導入するということは、
ギリシャから吸い上げた富を、ドイツに移転していることになるのです。


このため、ドイツは、グローバル化しても、ユーロで為替が有利なので、
特に輸出企業に大きなメリットがあり、欧州の経済が弱い国から事実上、「富を収奪」しています。


これが、ドイツが、グローバル化しても、それほど弊害が強くない背景です。


その分、欧州の弱い国は、グルーバル化の弊害が、さらに強くなり、
ギリシャの緊縮財政による経済の疲弊は、ひどいものです。


ですから、本来は、ドイツなどから、ギリシャなどへ、
自動的に「為替の調整資金」のようなものを、流す仕組みが必要なのですが、
そのようなことは、考慮されていません。


ECBのドラギ総裁が、欧州経済は上向いていることを認めつつ、早急な利上げを強く否定したのは、
ドイツやフランスは利上げに耐えられても、
経済力が弱い加盟国は、全くそのような利上げの前提条件にない状態のためです。


こういう構図があるので、ドイツは、グローバル化を推進しているわけですが、
そこには、ユーロ導入による有利な為替レートの享受という、秘密があるわけです。





※このメルマガは、長期の景気循環を念頭に、経済のファンダメンタルズについて書いたもので、
短期的な個別株式、為替の値動きを示唆するものではありません。
※情報の収集には、万全を期しておりますが、記事による、いかなる損失にも、責任を負うことはできません。

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