NY1メルマガ2017.4.26「デフレがなければ・・大塚家具の父娘も仲良くできたのに」

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デフレがなければ・・大塚家具の父娘も仲良くできたのに
2017.4.26


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---きょうのご挨拶--------------

こんにちは。児島です。

大塚家具の父娘の対立が、しばしば報じられていますね。

今号は、この問題を、当メルマガでみてみましょう。


-------------NewYork1本勝負----



■父娘の双方の戦略は、実は正しい


大きく報じられることが多い、大塚家具の父娘の対立。


どっちが、良くて、どっちが間違いという話になりがちです。


しかし、父娘の双方の戦略をみますと、どちらも正しいです。


どういうことかといいますと・・



福岡の博多リバレインという複合商業ビルに、大塚家具の福岡ショールームがあり、
ちらっと、のぞいてみました。


家具のクオリティとデザインのレベルは、以前の大塚家具に比べて、センスが良い。


どうして、これが売れないのか、という印象を持つぐらいです。


ところで、この博多リバレインは、福岡一の商業集積地、天神と、
最近、ターミナルビルが見違えるように良くなっている、博多駅の間、
まあ、中間にあります。


地下鉄の中洲川端駅と直結していて、便利ではあるのですが、天神と博多駅の集客力が強すぎて、
間にある博多リバレインは、1999年の開業当初から苦戦しています。


なので、やはり、店内の客は、週末でも、まばらです。


面積は、十分広く、綺麗なビルなのですが、客数が、明らかに少ないのです。




■ハイツ・アパート住みが増加、デフレがニトリ伸ばす


さて、ニトリは、デフレの経済状況で、商売を伸ばしました。


非正規雇用や解雇などの影響で、一般人の所得が、大きく落ち込み、
家賃の支払いも、当然厳しくなります。


収入が、かつての半分になったとか、3割になったとか、そういう状況も、
あたり前に存在します。


すると、以前は、3LDKの賃貸マンションに住んでいた人が、
ワンルームや、2DKの、ハイツやアパートに流れてきます。


当然、以前のように、大きな家具は、置くスペースがなく、
ニトリで、安くてコンパクトな家具を買うことになります。


つまり、大塚家具で買った家具を、家に置けるという人が、急速に減ってしまったわけです。


大塚家具の父娘の考えをみますと、やはり父は、手堅く商売する方向で、がっちり顧客を囲み、
ニトリやイケアが売り上げを伸ばしても、生き残る方法を模索しているとみえます。


やはり、長年、家具の商売をしてきた経験と勘が、そうさせているのでしょう。


父の商売は、ニトリやイケアを見たうえで、守りに強い商売を選択したように見えます。


現状の、厳しい消費の状況が、続いても、大丈夫なように、という考えなのでしょう。




一方の、娘は、父親譲りなのでしょう、正面から、苦境を突破しようとしています。


大塚家具のセンスは、良くなっているし、前進しているのは確かです。


ここで、おそらく、決定的な問題は、デフレが、いつまで続くか、ということです。


おそらく、娘のビジネスは、日本経済がデフレから回復し始めると、
急速に息を吹き返す可能性があります。


このメルマガでも、デフレからの転換の見通しを書いていますので、
方向としては、合っていると思いますが、
ただ問題なのは、デフレ脱却のスピードが、どうなのか、です。


デフレ解消のスピードが、遅ければ、その間に、潰れてしまうかもしれないからです。


また、ちょっと気にかかるのは、北欧や欧米のデザインのレベルの高さとの競争です。


もちろん、日本では、日本で使いやすい家具があるわけですが、
やはり歴史的に、デザインの力の差は、大きいです。


これは、大塚家具の本社を、NYやイタリアの都市に移して、
やるぐらいでないと、難しい問題です。

一方、父の商売は、デフレ脱却が遅れても、何とか、持ちこたえそうな考え方です。


しかし、もしデフレが解消した場合の、ビジネスの拡大では、娘に比べて、遅れをとるでしょう。



こうしてみますと、これほどのデフレ不況がなければ、ここまでの父娘の対立も、なかったのでしょう。


デフレ不況は、1990年ごろからの、日銀の金融政策の結果であり、日銀の責任は重大です。


おそらく、ここまでデフレが進まなければ、大塚家具の父娘も、幸せに、
ともに力を合わせて経営していたのでしょう。




※このメルマガは、長期の景気循環を念頭に、経済のファンダメンタルズについて書いたもので、
短期的な個別株式、為替の値動きを示唆するものではありません。
※情報の収集には、万全を期しておりますが、記事による、いかなる損失にも、責任を負うことはできません。

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