NY1メルマガ2017.3.30「生産性論議」に致命的に欠けている点

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「生産性論議」に致命的に欠けている点
2017.3.30

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■生産性論議に致命的に欠けている視点とは


さて、本題ですが、生産性は、効率的な仕事、ということになっています。


例えば、これまで、2人かかっていた仕事を、新しい方法を活用して工夫し、
1人でできるようにした、としましょう。


個人が持っていた、特殊なノウハウをマニュアル化して、大勢の人で使う、
ということも、あるでしょう。


新しい、販売方法を工夫したり、もありそうですね。


それで、生産性が上がりました。



さて、問題は、そこからです。


ぜひ、生産性の国際比較をしている、コンサルタントに、聞いてみましょう。



私は、企業の生産性を高めました。


私のボーナスは、増えるのですか?



私は、企業の生産性を高めました。


私は、出世するのですか?



これは、多くの場合、逆のことが起きます。


つまり、生産性のアップで、人員余剰となり、辞めさせられる。


ボーナスは、増えずに、企業の内部留保が増加。



そして、辞めさせられた人は、低賃金の単純労働へと押しやられ、
残った人も、ストレスは増加。


ボーナスは増えず、したがって消費も増えない。


GDPは、上がらず、国力も、低迷。



この話は、これまでの日本企業のリストラの話と、似ていますね。


人事部が、人員削減目標を達成したら、最後に人事部がリストラされた、
という冗談のような話に、なんか、似ています。



つまり、生産性論議に、致命的に欠けているのは、
自分の会社が、ホワイト企業かどうか、なのです。


日本の現状では、これは、極めて少数派でしょう。


ホワイト企業でなくて、普通の企業やブラック企業では、
生産性の向上は、利用されるだけです。



生産性論議の話の前提=ホワイト企業であること、であるわけです。


しかし、ほとんど、日本企業では、そんなことは、ないでしょう。



幸運にも、極めて少数派のホワイト企業で働いている場合、
生産性の向上に、取り組むべきです。



しかし、そうではない場合は、このメルマガの質問を、
生産性の向上を主張するコンサルタントに、ぶつけてみましょう!


私は、企業の生産性を高めました。


私のボーナスは、増えるのですか?



私は、企業の生産性を高めました。


私は、出世するのですか?



もちろん、ご本人が、大企業の社長や、銀行の頭取など、
会社の経営をデザインできる場合は、有益です。


ですから、生産性の向上は、一般の人に言うのではなく、
一部のトップに対して、個別にコンサルすべきこと、なのです。



外人の働き方をみていても、特にアメリカなどは、
一般の人は、生産性の向上は、ほとんど考えていないです。


アメリカなどは、いつ、解雇されるか、わからない立場でもあるので、
そんなことは、知ったことじゃない、という感覚です。

※もちろん、欧米の経営トップは、いろいろ戦略をめぐらせています。


欧米は、日本より、雇用関係はドライ、割り切っていますので、
現場の日本人の方が、生産性の向上は、考えているといえるでしょう。


これを、あえて、日本の一般の人に言うということは、
背後に、ブラック化推進=もっと働け、的な発想があるとしか、
思えませんね。



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