危機勃発!?暗雲漂うデンマーク「ダンスケ銀行」とドイツ銀行

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危機勃発!?暗雲漂うデンマーク「ダンスケ銀行」とドイツ銀行 2018.11.28.

こんにちは。児島です。FRBパウエル議長の講演で、利上げ打ち止めともとれる発言があり、NYダウは大幅上昇しました。しかし、これは、一時的な反応でしょう。

裏側では、デンマーク最大手銀行と、ドイツ銀行の危機が勃発しています。




■デンマーク最大手「ダンスケ銀行」とドイツ銀行の危機

このところ、デンマークの最大手銀行、 ダンスケ銀行(Danske Bank、 本店コペンハーゲン)をめぐり、 欧米の経済報道が、風雲急を告げています。

ウォールストリートジャーナル、 ロイター、ブルームバーグ、FTなど、この問題を、続々と報じています。

きのうから、きょう(11月29日)にかけても、

FT(2018.11.28) 「Danske Bank changed over €200bn money-laundering scandal」
Reuters(2018.11.28) 「Wary whistleblower casts light on dark Danish drama」
AP(2018.11.29) 「Denmark's top bank faces changes over money laundering」

と、ダンスケ銀行に関する報道が、 相次いでいます。

この問題は、 ウォールストリートジャーナルが、2018年9月に大きく報じ、徐々に問題が明らかになってきました。

また、ブルームバーグも、9月19日に、ダンスケ銀行の トーマス・ボルゲンCEOの辞任表明を、大きく報じています。ブルームバーグ(2018.9.19) 「ダンスケ銀行CEOが辞任表明、 最大26.3兆円の資金洗浄の疑い」

このように、大きな問題になっています。さて、この話を解説しますと・・

デンマークの最大手銀行の ダンスケ銀行。ダンスケ銀行のエストニアの拠点で、ロシアや旧ソ連圏から大量に資金を受け入れていました。(何の資金か、不明。怪しい資金か。)ダンスケ銀行の発表では、最大2340億ドル。

北欧の人は、今は、エストニア、ラトビア、リトアニア(バルト3国)には、わりと自由に、船で渡ったりもしている、間柄です。すぐ対岸ですからね。バルト3国は、EUに加盟して、ユーロを使用。旧ソ連圏の時代から、大きく変わっています。

そして、ロシアや旧ソ連圏から、このダンスケ銀行に来た資金の「ドル転」などは、海外業務が大規模な、ドイツ銀行に、頼んでいたというわけです。

この問題の2340億ドルというのは、まさに、巨額ですね。日本円表示では、為替レートで変化しますが、きょう11月29日のレート (1ドル=113.55円)では、約26兆5700億円になります。

バルト3国は、歴史的には、ロシアと旧・ソ連につながりがあり、いまは、EU加盟で、 西側の金融システムに、つながっています。

こういう事情で、 資金の「通り道」として、「好都合」であった、ということです。


■ダンスケ銀行の株価、半値近くに

ダンスケ銀行(デンマーク・ コペンハーゲン)の株価は、2018年の初めごろには、240〜250 DKK(デンマーククローネ)でしたが、11月28日の終値では、136 DKKになっています。
※1デンマーククローネ=17.3円 (11月28日現在)

年初から、ずっと下がっており、半値近くになっている状態です。今回の問題を、株価が、織り込んできたのでしょう。そして、この問題は、デンマーク最大の銀行の危機に、 とどまりません。




■ドイツ銀行の株価低迷の原因は、これか

ずっと株価が、低迷していた、ドイツ銀行。株価低迷の原因は、様々に「解説」されてきましたが、どうやら、このダンスケ銀行の問題が、原因のようです。

ドイツ銀行が、ダンスケ銀行の依頼で、大量の「ロシアマネー」をドル転していた、という話ですから、この問題は、ドイツ銀行に波及します。

ドイツ銀行の、国際業務の、今後の行方が、わからないという部分、つまり、このまま、 国際業務を続けられるのかどうか、という懸念が、浮上しかねません。

メルマガで、2年半前、2016年2月に、ドイツで一番手のドイツ銀行は、つぶれにくい、と書きましたが、  https://www.mag2.com/p/money/7406

このダンスケ銀行の問題、そして、ドイツ銀行の株価が、10ユーロを下回っていることから、ちょっと、このとき(2年半前)の見解は、変更します。

欧米の銀行で、株価が、10ドルとか、10ユーロを下回ってきたら、極めてリスクが高いと考えて、間違いないでしょう。

ドイツ銀行の株価は、11月28日終値で、8.66ユーロ前後付近。巨大な投資銀行で、10ユーロを下回るというのは、異常な株価です。

ドイツ銀行の株価は、2018年7月下旬から8月上旬にかけて、一時10ユーロを回復しますが、その後は、再び、10ユーロ割れ。一時的な動きを除いて、10ユーロ割れが、ほとんどとなっています。

ダンスケ銀行の問題で、ドイツ銀行の国際業務が、もし、できなくなると、投資銀行部門の分割、身売りなど、予想外の事が、起きる可能性があります。





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【編集後記】FRBのパウエル議長が、 利上げの打ち止めを示唆していますが、 これは、実は、ネガティブなニュース。 景気の上昇が、そろそろ終わる、ということを意味します。そこへ、ドイツ銀行の危機。今後の動きには、注意しましょう。 (児島)


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